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猫にローズマリーって大丈夫?それとも危険?獣医さんが安全性や効果を解説!

猫にローズマリーって大丈夫?それとも危険?獣医さんが安全性や効果を解説! 猫の雑学
猫にローズマリーって大丈夫?それとも危険?獣医さんが安全性や効果を解説!

「うちの猫ちゃん、庭のローズマリーをクンクンしてる…」「キャットフードにローズマリーって書いてあるけど、これって大丈夫なの?」

猫ちゃんと暮らしていると、ふとこんなギモンが浮かびませんか?ローズマリーって人間にはお馴染みのハーブだし、料理やアロマで楽しんでいる方も多いですよね。
でも、猫ちゃんにとっては一体どうなんでしょう?ネットで調べても「安全だよ」「いや危ない!」なんて色々な情報があって、混乱しちゃいますよね。

そんな飼い主さんのモヤモヤを解消するために、この記事では「何が・なぜ・どのくらい」安全(またはキケン)なのかを、獣医さんの視点から分かりやす〜く、そしてもっと詳しく解説しちゃいます!これを読めば、もう情報の波に惑わされません。愛猫を守るための、自信を持った判断ができるようになりますよ!

猫に対してローズマリーが危険か安全かは「形」で全然ちがう!

猫に対してローズマリーが危険か安全かは「形」で全然ちがう!

猫に対してローズマリーが危険か安全かは「形」で全然ちがう!

ローズマリーと一口に言っても、猫ちゃんがどんな形でそれに触れるかで、安全性は天国と地獄ほど変わってきます。
まずはこの違いをしっかり頭に入れておくのが、愛猫を守るための一番大事なポイントです!

どんな形? 安全?キケン? 獣医さんのひとこと解説!

生の葉・乾燥した葉

△ ちょっとだけならOK

数枚かじっちゃうくらいなら、健康な猫ちゃんならだいたい平気です。猫ちゃんが草をかじるのは、好奇心や退屈しのぎ、お口の中の感触が面白いから、なんて理由があります。でも、猫ちゃんはもともと肉食だから、植物の消化はニガテ。調子に乗って小枝をまるごと食べちゃうと、お腹を壊して吐いたり下痢したりするかも。

フードに入ってる抽出物

◎ 心配ご無用!

これはフードの品質を守るための「天然の酸化防止剤」。ローズマリーから安全な成分だけをギュッと取り出したもので、専門家が「これなら猫ちゃんに安全!」って確認した量がちょっぴり入ってるだけ。アメリカの厳しい基準もクリアしてるので、これは心配しなくて大丈夫ですよ!

アロマオイル(精油)

× 絶対ダメ!!

舐める、吸い込む、肌につく、ぜーんぶ猛毒です! 「天然=安全」ではありません!猫ちゃんの体は、アロマオイルの成分を分解できない特別な作り。人間や犬なら平気な量でも、猫ちゃんは深刻な中毒を起こすことがあります。ディフューザーはもちろん、アロマ入りの掃除用品や芳香剤もNG。どんな理由があっても、絶対に使わないでくださいね!

ここが大事!
問題なのはローズマリーそのものじゃなくて、成分の「濃さ」と「形」なんです。
お庭のハーブ、フードの添加物、そしてギュッと濃縮されたアロマオイルは、全くのベツモノって考えましょう!

【これだけは安心!】 フードの『ローズマリー抽出物』って何してるの?

フードの『ローズマリー抽出物』って何してるの?

フードの『ローズマリー抽出物』って何してるの?

キャットフードの成分表で「ローズマリー抽出物」を見つけても、ドキッとしなくて大丈夫!
むしろこれ、フードの品質を守ってくれる縁の下の力持ち、ヒーローみたいな存在なんです。

  • 何のため?
    キャットフードの脂肪分って、空気に触れるとだんだん劣化(酸化)しちゃうんです。
    そうなると味も落ちるし、酸化した油は猫ちゃんのお腹にも良くない。
    ローズマリー抽出物は、フードがマズくなったり、お腹を壊す原因になったりするのを防いでくれるガードマンなんです。

  • いいところは?
    昔使われてた合成の酸化防止剤(BHA, BHT)が気になる…っていう声に応えて、多くのメーカーが選んだ天然由来の安全な成分。
    フードの脂肪が悪くなる前に、ローズマリーの成分が「僕が代わりに酸化されよう!」と身代わりになってくれるイメージですね!

  • 安全なの?
    もちろん!あくまでフードの品質を守るためなので、猫ちゃんの体に影響が出るほどたくさんは入っていません。
    ちゃんと厳しいルールに基づいて、ごく微量が使われているので、安心して美味しいごはんをあげてくださいね。

【こんな時はキケン!】 安全だと思ってたら…落とし穴3パターン

安全だと思ってたら…落とし穴3パターン

安全だと思ってたら…落とし穴3パターン

「ローズマリーは安全なハーブ」って思っていると、思わぬところで愛猫を危険にさらしてしまうかも。ここでは特に注意したい3つのケースを、もっと詳しく紹介します!

1. 最もヤバい!アロマオイル(精油)の毒性

一番気をつけなきゃいけないのが、成分がめちゃくちゃ濃縮されたアロマオイル。これは猫ちゃんにとって、超キケンな化学物質です!

  • どうして危ないの?
    飲むのはもちろんNGだけど、危険はそれだけじゃないんです。

    • 空気中から
      ディフューザーで拡散された細かい粒子を、呼吸と一緒に吸い込んでしまいます。

    • 毛づくろいから
      オイルがついた手で撫でられると、猫ちゃんは体を舐めてキレイにする習性があるので、毛についた毒を自分で舐めとってしまいます。

    • 皮膚から
      床にこぼれたオイルを踏んじゃうと、肉球から毒が吸収されることもあります。

  • どんな症状がでるの?
    最初はよだれがダラダラ出たり、口を気持ち悪そうにクチャクチャしたり、吐いたりします。
    毒が体に回ってくると、元気がなくなってフラフラ歩いたり、体が小刻みに震えたり、けいれんを起こすことも。
    最悪の場合、肝臓や腎臓が回復不可能なダメージを受けて、命に関わることもあります。

2. 食べすぎ注意!お腹をこわしちゃうことも

ローズマリーの葉っぱ自体はASPCA(米国動物虐待防止協会)にも無毒とされていますが、「いくら食べてもOKのバイキング」ってわけじゃありません。

  • なんで?
    猫ちゃんは根っからの肉食動物。植物を上手に消化する体の作りになってないんです。
    葉っぱの硬い繊維は、猫ちゃんのお腹にはちょっとヘビー。

  • どうなるの?
    もし葉っぱを大量に食べちゃうと、消化不良で気持ち悪くなったり、吐いたり下痢したり…。
    中毒とは違うけど、猫ちゃんの体には大きな負担です。
    また、猫ちゃんによっては葉っぱの油分で口の中が少しヒリヒリして、不快に感じる子もいます。

3. てんかん持ちの猫ちゃんは特に注意!

特定の病気を持っている猫ちゃん、特に「てんかん」の子は注意が必要です。

  • なんで?
    ローズマリーの成分には、神経をちょっと興奮させる作用があるかも、と言われています。
    てんかんの発作は脳の神経が過剰に興奮して起きるので、発作のきっかけになったり、症状を悪化させたりするリスクが心配されています。

  • どうすればいい?
    「絶対ダメ!」と100%証明されたわけじゃないけど、「危ないかも?」ってことは避けるのが一番の愛情です。
    てんかんのような持病と付き合っていくには、リスクになりそうなものを生活から一つでも減してあげることが、穏やかな毎日につながります。
    ローズマリーは近づけない方が絶対に安心です。

【獣医さんの豆知識】 なんでアロマは猫に猛毒なの?

なんでアロマは猫に猛毒なの?

なんでアロマは猫に猛毒なの?

不思議ですよね、なんでアロマオイルだけ、猫ちゃんにそんなに危険なんでしょう?
それは体が小さいから、とかじゃなくて、猫ちゃんが持つ特別な体の仕組みが理由なんです。

キーワードは「グルクロン酸抱合(グルクロンさんほうごう)」

これは肝臓が毒を分解する大事な機能のこと。工場の『廃棄物処理システム』に例えるなら、人間や犬の工場には、植物由来のちょっと変わった形のゴミ(化学物質)を安全に処理できるすごいシステムがあります。
でも、お肉だけを食べて進化してきた猫ちゃんの工場には、そのシステムがもともと無いんです!

だから、アロマオイルの成分(変わった形のゴミ)が体に入ってきても、分解も排出もできずに毒としてどんどん工場内に溜まっていっちゃう。
これが、深刻な中毒を引き起こす本当の理由なんです。人間用の風邪薬(アセトアミノフェンなど)が猫ちゃんに猛毒なのも、同じ理由なんですよ。

【飼い主さんへ】 愛猫を守るためのアクションプラン!

もしもの時は・・・

もしもの時は・・・

普段からできること

  • 植物の置き場所
    猫ちゃんがジャンプしても届かない棚の上や、普段は入れない部屋に置くのがベスト!もし猫ちゃんがしつこく植物をかじりたがるなら、安全な「猫草」を用意してあげて、そっちに興味を向けさせるのも良い手ですよ!

  • アロマは完全NG!
    ディフューザーやスプレーはもちろん、アロマ入りの洗剤や化粧品もやめましょう。外でアロマに触れたら、帰ってすぐ石鹸で手を洗うのを忘れずに!お友達の家に行く時も「ごめんね、猫ちゃんがいるからアロマはちょっと…」と伝えておくと、お互い安心です。

  • ラベルチェックの習慣を
    「天然だから安心」「オーガニック」という言葉に惑わされないで!ペット用のシャンプーとかでも、「香料」「フレグランスオイル」と書かれているものが精油のことも。買う前に成分表をしっかりチェックするクセをつけましょう!

もしもの時の対処法

  • 【ケース1】 葉っぱをちょっと食べちゃった!

    • まずは落ち着いて!猫ちゃんの様子をよーく観察してください。吐いたり、下痢したり、元気がない状態が続くなら、迷わずかかりつけの動物病院に電話で相談!

  • 【ケース2】 アロマオイルに触っちゃった!(飲んじゃったかも…)

    • これは超緊急事態!「ちょっと様子を見よう」は絶対にダメです!
      飼い主さんが無理に吐かせようとするのは、もっと危険なのでやめてください!

    • すぐに動物病院に電話して、「これから行きます!」と伝えて!その時、何に触ったか(製品名)、どんな状況だったか、今の症状などを詳しく伝えられると、病院側も準備ができて、診察がスムーズに進みますよ。

【まとめ】 これだけは覚えて!正しい付き合い方

これだけは覚えて!正しい付き合い方

これだけは覚えて!正しい付き合い方

  1. 葉っぱそのものは、少量ならまあ平気。でも食べ過ぎは禁物!

  2. フードの抽出物は、品質を守る安全なもの。心配いりません!

  3. アロマオイルは、猫ちゃんにとっては猛毒!お家からなくしましょう!

人間にとって癒やしになるものが、猫ちゃんには命のキケンになることもあるんですね。
あなたの家は、愛猫にとっては「全世界」です。
その世界を安全な場所にしてあげることは、最高のプレゼント。
言葉を話せない愛猫を守れるのは、飼い主さんの正しい知識だけです。
この知識を『愛猫を守る盾』にして、もし少しでも不安なことがあったら、一人で悩まず、必ず獣医さんに相談してくださいね!