納豆をまぜまぜしてると、どこからともなく猫ちゃんがやってきて、「それ、なに?いい匂い!」って感じでクンクン、キラキラした目で見つめてくる…。
しまいには「ひとくちちょうだい!」と前足でチョイチョイしながらおねだりまで!
猫と暮らす人なら、一度は経験したことがある、微笑ましくもちょっと困ってしまう光景かもしれませんね。
人間でも好き嫌いがはっきり分かれるあの独特な食べ物に、どうしてうちの子はこんなに惹きつけられるんでしょう?そして、飼い主さんとして一番気になるのは「こんなに欲しがるけど…
猫に納豆って、あげちゃって本当に大丈夫なの?」ってことですよね。
この記事では、そんな飼い主さんのギモンに、獣医さんの専門的なお話や栄養のコト、それに実際に猫と暮らすみんなのリアルな体験談もまじえながら、わかりやす〜くお答えします!
猫が納豆を好きな意外なワケから、健康にいいこと、そして「これは注意!」っていう見逃せないリスクまで、まるっと解説。この
記事を読めば、愛猫の健康を一番に考えるあなたが、自信をもって正しい判断をできるようになりますよ!
なんで猫は納豆が好きなの?意外なワケを専門家が解説!

なんで猫は納豆が好きなの?
多くの飼い主さんが「なんでだろう?」って思う、猫ちゃんの納豆好き。そのヒミツは、味や栄養が欲しいっていうより、実はあの独特の「匂い」に隠されていました。
納豆のあの香りって、納豆菌が大豆のタンパク質を分解するときに出てくるもの。
主に「アンモニア」と「ジアセチル」っていう成分が元になってるんです。
これって、人間にとっては「うっ…」って顔をしかめてしまうこともある、ちょっと強烈な匂いですよね。
でも、猫ちゃんにとってはこの匂い、全然ちがう意味を持ってるんです。
なんと、この匂いの成分が、猫のフェロモンとめっちゃ似てるんだとか!
フェロモンっていうのは、猫同士が鼻をくっつけて挨拶したり、柱に顔をスリスリして「ここは安心できる場所だよ」ってマーキングしたりするときに使う、大事な「匂いのサイン」のこと。
つまり、猫が納豆にスリスリ寄ってくるのは、「おいしそう!」って思ってるんじゃなくて、「おっ、なんだかすごく気になる匂いがするぞ?仲間かな?」って、本能的に興味をそそられてる可能性が高いんです。これは、猫がまたたびに夢中になったり、大好きな飼い主さんの汗の匂いがついた服の上でゴロゴロしたりするのと似ていますね。
中には、匂いを嗅いだあとに口をぽかーんと開けて、時が止まったみたいなヘンな顔になっちゃう「フレーメン反応」を見せる子もいるかも!
これって、すごく大事なポイントなんです。愛猫が納豆を欲しがるのは、「お腹がすいたよー」とか「栄養が足りてないよー」っていうサインじゃなくて、あくまで本能的な好奇心から。
だからこそ、その可愛い気持ちに応えてあげるときは、あとで説明する量やあげ方をしっかり守ってあげなきゃいけないんですね。
猫に納豆、あげてもOK!ただし守ってほしい「5つのお約束」

猫に納豆、あげてもOK!ただし守るべきことがある
先に結論を言っちゃうと、健康な猫ちゃんなら、少しだけ納豆をあげるのは基本的には大丈夫! 納豆って栄養たっぷりだし、猫の健康にプラスになることだってあるんです。
でも、この「大丈夫」には、獣医さんたちが「これだけは絶対に守って!」と強く言っている、5つの大事なお約束があります。これを一つでも破っちゃうと、愛猫の健康を逆にそこなうキケンがあるので、しっかりチェックしてくださいね。
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健康な大人の猫ちゃん限定!
子猫やシニア猫は消化器官がデリケート。腎臓や心臓の病気、尿路結石みたいな持病がなくて、元気いっぱいの成猫だけにしてあげましょう。
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味付けはゼッタイにダメ!
付属のタレやからしに含まれる塩分は猫の腎臓に大きな負担をかけます。お醤油やネギなんかの薬味は中毒の原因になることもあるので、絶対に使わないで!
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ほんのちょっとだけにする!
あくまで特別なおやつやトッピングです。いつものごはんが栄養バランスの取れた主役だということを忘れずに、そのバランスをくずさない量にしてくださいね。
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アレルギーがないかチェック!
今まで大丈夫だった食べ物でも、ある日突然アレルギーが出ることも。初めてあげるときは、「アレルギーが出ないかな?」って、よーく様子を見てあげることが大事です。
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喉につまらせない工夫を!
猫はあまりモグモグ噛まずに丸呑みしがち。安全のために、ひきわり納豆を選んだり、粒をスプーンの背中で軽く潰してあげたりしましょう。
猫ちゃんのメインごはんは、必要な栄養がぜんぶ入った「総合栄養食」のキャットフード。
納豆はあくまで「お楽しみ」のトッピングくらいに考えて、このお約束をしっかり守ることが、安全に楽しむための大前提ですよ!
猫が納豆を食べると、どんないいことがあるの?

猫が納豆を食べると、どんないいことがあるの?
ちゃんとしたルールを守ってあげるなら、納豆は猫ちゃんの元気の素になるステキな成分がいくつか入っています。
納豆菌パワーで生まれる特別な栄養が、体にうれしい効果をもたらしてくれるかもしれません。
サラサラパワーで元気をサポート!
納豆だけの特別成分「ナットウキナーゼ」には、血液の塊(血栓)を溶かすのを手伝ってくれる働きがあります。
人間では心臓病などの予防につながると言われていますが、このパワーは猫ちゃんにとってもうれしいもの。
特にシニア期に入った子の健康維持や、心臓に持病がある子の健康管理に、ちょっぴり役立ってくれる可能性があります。
お腹の調子を整えて、スッキリ快便!
納豆には、お腹の健康を応援する強力な味方が2つも!一つは、生きたまま腸に届く「納豆菌」。腸内にいるビフィズス菌みたいな「善玉菌」を応援して、お腹の環境を整えてくれます。
もう一つは「食物繊維」。この2つの合わせ技で、うんちが出やすくなって、便秘気味の猫ちゃんをサポートしてくれる効果が期待できます。お腹の調子がいいと、毛ヅヤも良くなりますよ!
毛玉ケアにもお役立ち!
猫ちゃんは毛づくろいで飲み込んじゃった毛玉を、普通は「ケポッ」と吐き出すもの。
でも、それがうまくできないと、お腹の中に毛玉がたまって食欲がなくなったりする「毛球症」になっちゃうことも。
納豆の食物繊維は、飲み込んだ毛をうんちと一緒にするっと出すのを助けてくれるので、毛玉対策にもつながると言われています。
元気の源!エイジングケアにも
納豆の原料の大豆には、「大豆サポニン」っていうポリフェノールの一種がいっぱい。
これには、体のサビつき(酸化)を防いでくれる働きがあります。
体のサビつきは、人間と同じようにジワジワと老化を進めてしまう原因。
サポニンのパワーで細胞を元気に保ち、免疫力のキープも期待できるので、猫ちゃんの健康長寿やエイジングケアに貢献してくれるかもしれません。
ビタミンKで、いざという時も安心!
納豆にはビタミンやミネラルもたっぷり。特にすごいのが「ビタミンK」。
ちょっとしたケガをした時に血を固めるのを助けたり、カルシウムが骨にくっつくのをサポートしたりする、とっても大事な栄養素です。
お薬を長く飲んでいる子などは不足しがちなので、ごはんから自然に摂れるのはうれしいですね。
ちょっと待って!納豆をあげる前に知っておくべきリスク

納豆をあげる前に知っておくべきリスク
納豆にはいいことがたくさんあるけど、猫ちゃんの体質や健康状態によっては、逆にすごく危ない食べ物になってしまうことも。特に下の3つのリスクは、あげる前に絶対に知っておいてください!
もしかしてアレルギー?こんなサインに気をつけて!
人間と同じで、猫ちゃんにも食物アレルギーがあります。大豆もその原因(アレルゲン)になることがあるんです。タンパク質が豊富な納豆は、アレルギーを起こす可能性もゼロではありません。
初めてあげるときは、まず1〜2粒だけ。その後まる1日は、よーく様子を見てあげてください。もし、下みたいな症状が出たら、すぐにあげるのをやめて、ひどい場合は動物病院へ!
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かゆい!
特に顔の周りや耳をしきりに掻いたり、同じ場所をずっと舐め続けたり、皮膚が赤くなったりする -
お腹がいたい…
吐いたり、いつもよりウンチがゆるくなったり、下痢をしたりする -
その他
目の周りや口が腫れる、なんだかぐったりして元気がない、部分的に毛が抜ける
特に気をつけて!腎臓や尿路に持病がある子にはNGです
これは本当に気をつけてほしい、一番大事な注意点です。納豆にはカリウム、リン、マグネシウムといったミネラルがたくさん。元気な猫には必要だけど、病気の子には毒になってしまうことがあります。
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腎臓病の猫ちゃん
腎臓の働きが弱っていると、これらのミネラルをうまく体の外に出せません。体に溜まりすぎると、不整脈を起こしたり、骨がもろくなったり、さらに腎臓病を悪化させたりする危険があります。病気で頑張っている体に、さらに追い打ちをかけてしまうことになるんです。 -
尿路結石になったことがある猫ちゃん
「ストルバイト結石」っていう石は、尿の中のマグネシウムが多いとできやすくなります。マグネシウムが多い納豆をあげるのは、辛い病気の再発リスクを高める可能性があるのでとっても危険です。
元気な子には良いものが、そうでない子には大きな負担になる。このことは、飼い主さんがしっかり覚えておいてあげてくださいね。もし愛猫にこれらの病気があったり、疑いがあったりするなら、絶対に自己判断であげちゃダメですよ。
食べ過ぎはダメ!お腹をこわしちゃうかも
元気な猫ちゃんであっても、納豆のあげすぎは禁物。もともと肉食の猫は、植物性のものをたくさん消化するのはちょっと苦手。
一度にたくさんあげると消化不良になって、お腹にガスが溜まって苦しくなったり、下痢や嘔吐をしたりすることがあります。
それに、いつものキャットフードは、それだけで栄養バランスがバッチリになるように作られています。
そこに栄養満点の納豆をたくさん足しちゃうと、全体のバランスが崩れてしまうかも。
良かれと思ってあげたものが、長い目で見ると肥満や別の病気の原因になることだってあるんです。
【獣医学的根拠】 専門家はこう言ってる!

【獣医学的根拠】 専門家はこう言ってる!
この記事に書いてあることは、誰かの思いつきじゃなくて、ちゃんとした獣医さんや専門家のお話がもとになっています。だから安心してくださいね。ここでは、その根拠になっている情報源をいくつか紹介します。
【専門家の見解1】 獣医師 佐藤貴紀先生
佐藤先生によると、納豆は猫にとって健康に良い食べ物の一つで、特にビタミンKやナットウキナーゼのパワーに注目しているそうです。納豆の匂いで食欲が出ることもあるから、食欲がない時のトッピングに使えることもある、と言っています。
でもその一方で、大豆アレルギーの可能性や、栄養の摂りすぎには注意が必要で、付属のタレやからしは塩分が多すぎるから絶対にダメ!と強く注意もしています。
【専門家の見解2】 日本ペットフード株式会社さん
ペットフードを作っている会社のコラムでは、納豆は発酵しているから、大豆製品の中でも猫が消化しやすい食べ物だと解説しています。ナットウキナーゼや食物繊維の良さも認めつつ、あげる量はスプーン1杯くらいにして、お醤油やお塩は絶対に使わないでね、と呼びかけています。
参考にできる情報源
もっと詳しく知りたい方は、こちらのサイトもチェックしてみてくださいね。
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情報源: Petokoto(獣医師執筆記事)
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情報源: 日本ペットフード株式会社(専門家コラム)
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情報源: ねこのきもち(ベネッセコーポレーション)
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情報源: 楽天ペット(ペット情報サイト)
愛猫に納豆を安全にあげるための完全ガイド

愛猫に納豆を安全にあげるための完全ガイド
さて、いよいよ実践編です!実際に愛猫に納豆をあげるときの、具体的な手順とルールをステップごとに解説します。このガイドを守ることが、愛猫の安全とハッピーにつながりますよ。
【ステップ1】 量はどれくらい?どのくらいの頻度であげる?
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1回の量
ほんのちょっとでOK!目安は小さじ半分から1杯くらい。市販のパックなら、多くても4分の1までにしておきましょう。 -
頻度
毎日はあげないでくださいね。あくまでご褒美として、または食欲がない時の「これなら食べるかな?」っていう魔法のトッピングとして、週に1〜2回くらいがベストです。
【ステップ2】 どうやってあげる?どれを選ぶ?
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絶対のルール
付属のタレ、からし、お醤油、ネギみたいな薬味は絶対に入れないで! 「人間用の味付けは猫にはダメ」と心に刻んでくださいね。タレの塩分は猫の腎臓にすごい負担をかけるし、ネギは猫にとって中毒を起こす猛毒です! -
納豆の選び方
猫はあまり噛まずにゴクンと飲み込むことがあるから、大粒の納豆は喉につまると危ないかも。「ひきわり納豆」か「小粒納豆」がおすすめです! -
あげる前のひと工夫
小粒納豆でも、スプーンの背中で軽く潰してあげると、香りが立って食欲をそそる効果も期待できて、もっと安心ですよ。
【ステップ3】 初めてチャレンジ!
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何も味付けしてない納豆を、まずは指先に1粒だけのせるくらいから用意します。
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愛猫の前にそっと出して、「どうぞ」って感じで匂いをかがせて、食べるかな?って様子を見てみましょう。
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もし食べたら、その後の24時間は、下痢や嘔吐、体を痒がるみたいなアレルギーのサインが出てないか、いつもより少し気にかけて観察してあげてください。トイレの様子もチェック!
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特に問題がなさそうだったら、次からはもう少しだけ(小さじ半分くらいまで)増やしてあげても大丈夫です。
猫と納豆の早わかりガイド
| 項目 | 詳細 |
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あげて良い猫 |
健康な成猫 |
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注意・禁止の猫 |
腎臓病、心臓病、尿路結石になったことがある猫、大豆アレルギーの猫、1歳未満の子猫 |
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1回の適量 |
小さじ1杯程度 / パックの1/4まで |
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頻度 |
週に1〜2回のおやつやトッピングとして |
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おすすめの種類 |
ひきわり納豆、または小粒納豆を潰したもの |
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絶対ダメなもの |
付属のタレ、からし、醤油、塩、ネギなどの薬味 |
うちの子はどっち派?飼い主さんたちのリアルな声

うちの子はどっち派?飼い主さんたちのリアルな声
専門家のお話も大事だけど、やっぱり気になるのは「うちの子はどうかな?」ってことですよね!実際の猫ちゃんたちが納豆にどんな反応を見せるのか、飼い主さんたちのいろんな体験談を集めてみました。
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納豆大好き派
SNSや動画サイトを見ると、飼い主さんが納豆を食べ始めると目をキラキラさせて飛んできて、ネバネバなんておかまいなしで夢中で食べる猫ちゃんがいっぱい!短い足で一生懸命立ち上がって、混ぜてる納豆をガン見する子もいれば、食欲がなかったのに納豆をかけたら完食した!なんて報告も。 -
断固拒否派とナニコレ?派
その一方で、匂いを嗅いだ瞬間に「くさっ!」って顔をして、後ずさりしながら逃げちゃう子もたくさんいます。もっと面白いのは、納豆を「謎の物体」か「うんち」と勘違いしちゃったのか、一生懸命に猫砂をかけるみたいに隠そうとする子の動画。自分のテリトリーをキレイに保ちたいっていう、猫の本能なんでしょうね。 -
健康になったよ!という声も
ワンちゃんのお話ですが、納豆菌のサプリをあげ始めたら、ずっと悩んでたお腹のゆるさやウンチの強烈な匂いがすごく良くなった、というレビューがありました。納豆菌がお腹の調子を整えるパワーの参考になりますね。 -
クスッと笑えるエピソード
ある飼い主さん、夕食の準備中に、人間用の納豆の器と猫ちゃん用のお皿をうっかり間違えて、危うく愛猫のお皿にタレごと納豆を入れそうになったんだとか。危ない危ない!
こんな風に、猫ちゃんの納豆への反応はまさに十猫十色。好きか嫌いかは、その子の個性。どっちが良いとか悪いとかじゃないんですね。
猫と納豆、正しい知識でハッピーな関係を!
ここまで、猫と納豆のいろんなお話をしてきましたね。大事なポイントを最後におさらいしましょう!
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猫が納豆に惹かれるのは、匂いがフェロモンに似ていて、本能的に「なんだこれ?」って興味をそそられるから。
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健康な大人の猫ちゃんなら、心臓やお腹の健康サポートなど、うれしい効果が期待できるかも。
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でも、腎臓病などの持病がある子やアレルギーの子にはとっても危険な食べ物!絶対に忘れずに。
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安全にあげるための絶対ルールは、**「タレなし」「ほんのちょっと」「ひきわりか潰したもの」**の3つ!
飼い主であるあなたはもう、愛猫に納豆をあげるかどうかを、ちゃんとした知識にもとづいて安全に判断できるはず。愛猫の健康状態や年齢、体質をしっかり考えて、もしあげるなら、このガイドのルールをきちんと守って、ごはんの時間をちょっとだけ豊かにしてあげてくださいね。
そして、一番大事なことは、少しでも「これってどうなのかな?」と不安や疑問があったり、愛猫に何か持病があったりする場合には、ためらわずに、必ずかかりつけの獣医さんに相談すること。専門家のアドバイスこそが、あなたと愛猫の毎日を守るための、一番確実な道しるべになりますよ!

