「ごはんをあげた後、うちの子が満足そうに(?)床をカリカリ、カキカキ…」
猫ちゃんと暮らしていると、一度は見たことがあるかもしれないこの不思議な行動。「どうしてそんなことするの?」「もしかして、ごはんが気に入らないのかな?」なんて、首をかしげた経験、ありませんか?
実はその行動、言葉を話せない猫ちゃんが、わたしたちに一生懸命伝えようとしている大切なメッセージなのかも!
この記事を読めば、その謎の行動に隠された愛猫の「ホントの気持ち」がわかって、今日からできる解決策まで、ぜーんぶスッキリわかっちゃいますよ。あなたも愛猫の行動の専門家になって、もっと深い絆を育んじゃいましょう!
猫が餌の周りをひっかく行動、その裏にある5つの「本音」

猫が餌の周りをひっかく理由とは
一見、謎に思えるこの行動。でも、その一つ一つにはちゃーんと猫なりの理由があるんです。専門家の意見やたくさんの飼い主さんの経験談から、主に5つの「本音」が考えられます。
【理由1】 野生の本能!「大事なごはんは隠しとこっと!」
一番よく言われているのが、野生時代のなごり、「貯食行動(ちょしょくこうどう)」っていうやつです。
野生で暮らしてた猫の祖先にとって、食べ物はいつでもゲットできるわけじゃありませんでした。だから、獲物を食べきれなかったときは、他の動物に取られないように土や落ち葉をかけて隠しておく、っていう知恵があったんですね。その「生きるための本能」が、ごはんの心配がない今の猫ちゃんにもしっかり残ってるんです。
「これは最高に美味しいごはんだから、後でまた食べるために隠しておこう!」っていう、猫ちゃんにとっての宝物を守るための真剣な行動なんですね。特にお腹いっぱいの時にやりがちなのは、このためです。
【理由2】 「なんか気分じゃないニャ…」ごはんへの不満サインかも?
でも、いつもポジティブな理由だけじゃないんです。「ごはんを隠す」ってことは、逆に言えば「目の前から消したい!」っていう気持ちの表れでもあります。「このごはん、あんまり好きじゃないな」「今は食べたくないな」っていう不満を、その行動で示している可能性も十分あります。
例えば、急にフードを変えた時とか、猫ちゃんの体調がイマイチで食欲がない時なんかに見られるかもしれません。もし、ごはんをほとんど食べずにカキカキしてたら、フードが口に合わないか、どこか具合が悪いサインかも。
【理由3】 「あー、お腹いっぱい!」満足のサイン
理由1とちょっと似てるけど、こっちは「もう満足!ごちそうさま!」っていう、食後の満足感をアピールする行動って感じです。
お腹がいっぱいになって、リラックスした気分で「食後のテーブルを片付けてる」みたいな感覚なのかも。この時の猫ちゃんは、表情も穏やかで、ゴロゴロ喉を鳴らしながらカキカキすることも。人間が食後に「美味しかったー」ってお腹をさするような、そんな感じですね!
【理由4】 「このお皿イヤ!場所もイヤ!」環境への静かなクレーム
猫ってすごくデリケートで、自分のテリトリーを大事にする動物。だから、食事の環境にちょっとでもストレスを感じると、それを避けるためにごはんを隠そうとすることがあります。
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お皿が深くてヒゲが当たるのがイヤ!
猫のヒゲって超敏感なセンサー。食器に当たるだけで、かなりのストレスになっちゃうんです。 -
お皿の素材や匂いがキライ!
プラスチックのお皿は傷つきやすくて、そこにバイ菌がわいたり、フードの油の匂いがついちゃったりして、猫ちゃんが嫌がることがあります。 -
ここ、落ち着かない!
人がバタバタ通る場所や、テレビの音がうるさい場所、他のペットがちょっかいを出しに来るような場所じゃ、安心してごはんに集中できませんよね。
言葉で言えない「ここじゃヤだ!」っていう、静かだけど切実なクレームなんです。
【理由5】 「これはボクのだぞ!」自分の匂いでアピール
猫の肉球(ぷにぷにのあそこです!)には、「臭腺(しゅうせん)」っていう自分の匂いを出す場所があります。ごはんの周りをカキカキすることで、床に自分の匂いをつけて、「これは僕(私)のごはんだからね!」ってアピールしてるっていう説です。
これは特に、新しい猫ちゃんが来たり、引っ越ししたりして、環境が変わった時に見られやすい行動。たくさんの猫ちゃんがいるおうちでは、他の子にごはんを取られたくない!って気持ちから、もっと念入りにカキカキすることがあります。
猫が餌の周りをひっかく行動、専門家はどう見てる?

専門家の見解は?
多くの獣医さんや動物行動学の専門家は、この行動を「猫がもともと持ってる本能からくる、ごく自然な行動」だと見ています。だから、基本的には病気だと心配しすぎる必要はないみたいです。
【獣医師のコメント】
「食後の砂かけ行動は、祖先が獲物を隠していた頃の『貯食本能』の現れと考えられます。これは猫にとってごく当たり前の行動なので、無理にやめさせる必要はありませんよ。ただ、気をつけてほしいのは、その行動と一緒に食欲がなかったり、他の症状(吐いちゃう、お腹を壊してる、元気がないなど)があったりする場合です。その時は、お腹の病気や口内炎、あるいは強いストレスが隠れている可能性も考えられます。行動だけじゃなく、猫ちゃんの体全体の健康状態をよく見てあげることが、何より大事ですね。」
つまり、行動を『やめさせる』んじゃなくて、『どうしたの?』って愛猫の気持ちを探る『猫探偵』になることが、解決への一番の近道ってことですね!その行動は、愛猫の心と体を知るための貴重なヒントなんです。
じゃあ、どうすればいいの?今日からできるコト
原因がわかれば、解決策は意外とシンプル。愛猫からのサインを見逃さず、もっと快適な食事タイムをプレゼントしてあげましょう!
1. ごはんの環境、見直してみない?
もし不満が原因なら、環境を変えるだけでピタッとやらなくなることもよくあります。
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お皿を替えてみる
ヒゲが当たりにくい、浅くて広いお皿がおすすめ!素材は匂いがつきにくくて清潔な陶器やステンレス、ガラス製を選んであげましょう。 -
置き場所を工夫する
人がよく通る場所や、トイレの近くは避けて、部屋の隅っこみたいに、後ろを気にせず安心して食べられる静かな場所に移動してあげて。 -
いつもピカピカに!
食べ残しはすぐに片付けて、お皿は毎回きれいに洗ってあげましょう。猫はきれい好きだから、汚れたお皿は嫌がりますよ。
2. ごはん自体を見直してみる
「ごはんへの不満」が怪しいなと思ったら、フードのあげ方を変えてみましょう。
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フードの種類
いつもと違う味や食感のフードをちょっとだけ試してみる。急に変えると警戒しちゃう子もいるので、今までのフードに少しずつ混ぜて慣らしていくのがポイントです。 -
量の調整
一度にあげる量を少し減らして、食べきれる量にすると、「隠さなきゃ!」っていう本能が出にくくなることがあります。
3. ストレスサインじゃないかチェック!
環境が変わった後なんかにこの行動が始まったら、ストレスを感じてるのかも。
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いっぱい遊んであげる!
おもちゃで遊ぶ時間を増やして、狩りの本能を満たしてあげると、心も体もスッキリ満足させてあげられます。 -
安心できる場所を作ってあげる
隠れられる段ボール箱とか、高いところから部屋を見渡せるキャットタワーとか、猫ちゃんが「ここは自分の聖域だ」って思える場所を用意してあげて。
【要注意!】こんな時は動物病院へ
もしカキカキ行動と一緒にこんな症状が見られたら、何かの病気のサインかも。自分で判断しないで、すぐに獣医さんに相談してくださいね!
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ごはんを全然食べない、またはガクッと食欲が落ちた
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元気がない、ぐったりしてる、隠れて出てこない
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吐いたり、お腹を壊したりを繰り返す
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急に痩せてきた、お水をたくさん飲むようになった
みんなの猫ちゃんはどう?飼い主さんの体験談

飼い主さんのエピソード
実際に猫と暮らす飼い主さんからは、いろんな声が聞こえてきます。
Aさん(3歳・スコティッシュフォールドの飼い主)
「うちの子は、ウェットフードをあげた時だけやりますね。よっぽど美味しいみたいで、『これは誰にも渡さない!』って隠してるのかな?と思うと可愛いです(笑)」
Bさん(5歳・キジトラの飼い主)
「プラスチックの深いお皿を使っていた時によくやっていましたが、獣医さんのアドバイスで陶器の平皿に変えたら、ピタッとやらなくなりました!ヒゲが当たるのが嫌だったみたいです。」
Cさん(多頭飼い)
「新入り猫が来てから、先住猫がごはんの後に必ずやるようになりました。自分のごはんを守ろうとしてるんだなと思って、食事場所を離してあげたら少し落ち着きました。」
猫が餌の周りをひっかく気持ちがわかれば、もっと仲良しに!
猫がごはんの周りをカキカキする行動は、多くの場合、心配いらない本能的なしぐさで、とっても猫らしい行動なんです。
でも、その裏には「満足!」から「ちょっと不満…」そして「具合が悪いかも」っていうサインまで、いろんな猫の気持ちが隠されています。
愛猫の行動を「問題だ!」って決めつけないで、「どうしたのかな?」「何か言いたいのかな?」って見てあげて、その子の気持ちに寄り添ってあげることが、もっともっと仲良くなるための第一歩です。
その不思議なカキカキ行動は、言葉を話せない愛猫からのメッセージ。その意味を理解することは、愛猫の『心の声』に耳を傾けることと同じです。この記事が、あなたと愛猫ちゃんの毎日をもっとハッピーにするきっかけになったら、すっごく嬉しいです!