大好きな愛猫ちゃんをなでなでしている時、ふと見るとお口から「よだれがポタポタ…」。
「えっ、もしかしてどこか悪いの?」とドキッとしてしまいますよね。
でも、その一方で猫ちゃんがとっても幸せそうな顔をしていたら、「これって喜んでくれてるのかな?」と不思議に思うこともあるはずなんです。
実は、猫ちゃんがよだれを垂らすのには、「心からの幸せを感じている至福のサイン」である場合と、「一刻を争う身体のSOS」である場合の2つの顔があるんですよ。
今回は、猫ちゃんを愛する飼い主さんのために、「猫がよだれをポタポタ垂らすのは嬉しいから?」という疑問を徹底調査しました。「嬉しい時のよだれと、そうではなく注意すべきよだれについて」、獣医師さんの見解や、実際に猫ちゃんと暮らしている方々の体験談をまじえて、詳しく丁寧にお話ししていきますね。
猫がよだれをポタポタ垂らすのは嬉しいから?その理由と身体の仕組み

猫がよだれをポタポタ垂らすのは嬉しいから?その理由と身体の仕組み
結論からお伝えすると、猫ちゃんがリラックスして「嬉しい!」と感じている時に、サラサラとした透明なよだれをポタポタ垂らすのは、とっても正常で幸せな反応なんですよ。
1. どうして嬉しいとよだれが出ちゃうの?(生理的な根拠)
猫ちゃんのお口の中では、私たち人間と同じように「自律神経」が唾液の量をコントロールしているんです。
猫ちゃんが飼い主さんに甘えたり、お気に入りの場所でまどろんだりしている時は、身体をリラックスさせる「副交感神経」がとっても優位になります。
この副交感神経が活発になると、お口の中では水分たっぷりのサラサラした唾液(漿液性唾液といいます)がどんどん作られる仕組みになっているんですね。
普段の猫ちゃんは、この唾液を無意識にゴクンと飲み込んでいるのですが、あまりに幸せでうっとりしすぎると、お口周りの筋肉まで「ふにゃ〜」と緩んでしまうんです。
その結果、飲み込むのを忘れてしまった唾液がお口から溢れ出して、ポタポタとこぼれてしまう…というわけなんです。
まさに「とろけるような幸せ」がお口から漏れ出している状態なんですね!
2. 「ふみふみ」と一緒に溢れる、仔猫ちゃん時代の記憶
特によだれが出やすいのが、前足でお布団や飼い主さんをモミモミする「ふみふみ(ニーディング)」をしている時なんです。
この行動は、仔猫ちゃんがお母さん猫ちゃんのおっぱいを飲む時に、母乳の出を良くしようと乳腺を刺激していた仕草の名残だと言われています 。
成猫ちゃんになってもふみふみをするのは、飼い主さんのことを「大好きなお母さん」だと思って、甘えたい気持ちが爆発している証拠なんです。
この時、猫ちゃんの脳内では幸福感を感じるホルモンが出て、副交感神経を強力に刺激します。
だからこそ、ふみふみと一緒に「幸せのしずく」であるよだれが出てしまうのは、猫ちゃんにとって究極の愛情表現なんですよ。
3. 飼い主さんのほっこり体験談
実際に、たくさんの飼い主さんがこの「幸せよだれ」を経験されています。
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ソマリのふにちゃん
お顔の周りをなでられるのが大好きで、特に嬉しい場所を触られると、いつもよだれまみれになってしまうそうです。飼い主さんはその姿を見て「こんなに喜んでくれてるんだ!」と愛おしく感じているんだとか。 -
SNSの投稿より
「夜、お腹の上に乗ってきて全力のふみふみをしながら、ゴロゴロ音と一緒によだれを垂らしてくるんです。パジャマはびしょびしょになるけど、信頼されている証拠だと思うと、ちっとも嫌じゃないんですよね」という声も。猫ちゃんとの絆を感じる素敵な瞬間ですよね 。
嬉しい時のよだれと、そうではなく注意すべきよだれについて:見分けるチェックポイント

嬉しい時のよだれと、そうではなく注意すべきよだれについて:見分けるチェックポイント
「うちの猫ちゃんのよだれは大丈夫かな?」と心配になったら、まずは以下のポイントを確認してみてくださいね。嬉しい時のよだれと、病気のサインを見分けるのは、猫ちゃんの健康を守る第一歩なんです。
【安心なよだれ】そのまま見守ってあげてOKなケース
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出ているタイミング
飼い主さんに甘えている時、ふみふみをしている時、ぐっすり眠ってリラックスしている時 。 -
見た目の特徴
お水のように透明で、サラサラしています。 -
ニオイ
全くの無臭か、いつもの猫ちゃんのお口のニオイ(フードのニオイなど)です。 -
猫ちゃんの様子
喉を「ゴロゴロ」と鳴らしていたり、目がトロンとしていたりと、明らかに幸せそうな表情をしています 。
【注意なよだれ】早めに獣医師さんに相談してほしいケース
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見た目の特徴
血が混じってピンクや茶色っぽくなっている、白っぽい泡を吹いている、緑や黄色など膿のような色が混じっている 。 -
ニオイ
「なんだか生臭い」「ツンとするアンモニアのようなニオイがする」「組織が腐ったような強いニオイ」がします 。 -
猫ちゃんの様子
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大好きだったご飯を、食べたそうにするのに食べない(食べたいけど痛い)。
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前足でお口を執拗に気にしたり、お口をくちゃくちゃさせたりする。
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毛づくろいをしなくなり、前足の毛がよだれで茶色くバリバリに固まっている 。
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元気がなく、薄暗い場所や隅っこでじっとうずくまっている。
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注意すべき猫のよだれの背後に隠れている「重大な病気」とその根拠

注意すべき猫のよだれの背後に隠れている「重大な病気」とその根拠
猫ちゃんは痛みを隠すのがとっても上手な動物です。もし「嬉しい時」以外によだれが続いているなら、それは身体のどこかが悲鳴を上げているサインかもしれません。
1. お口の激痛サイン(歯周病・口内炎)
猫ちゃんにとって最も多いよだれの原因は、お口の中のトラブルなんです。
2歳以上の猫ちゃんの約70%以上が、何らかの歯肉炎や歯周病を抱えているというデータもあります 。特に「猫の難治性口内炎」は、お口の粘膜が真っ赤に腫れ上がり、まるでイチゴのようになってしまうほど痛みが強い病気なんです。
【獣医学的な根拠】
コーネル大学猫健康センター(Cornell Feline Health Center)の研究によると、この病気にかかった猫ちゃんは極度の口腔痛を感じるため、よだれが止まらなくなったり、食事を全く摂れなくなったりして、最悪の場合は餓死してしまう危険性もあると警告されています 。単なる口内炎だと思わずに、しっかりとした治療が必要なんですね。
2. 内臓からの警告(慢性腎不全・尿毒症)
特に高齢の猫ちゃんに多いのが、腎臓のトラブルです。腎臓の働きが悪くなると、本来は尿として外に出るはずの毒素が身体の中に溜まってしまう「尿毒症」という状態になります 。
この毒素が原因で、猫ちゃんはひどい吐き気や気持ち悪さを感じてよだれを垂らすようになるんです。この時、よだれから「アンモニアのようなニオイ」がするのが特徴なんですよ 。
3. 命に関わる緊急事態(中毒・熱中症)
猫ちゃんにとって毒性のある植物(ユリ科など)や薬品を舐めてしまった時、身体は毒を薄めようとして大量のよだれを出します。また、暑い場所で口を開けてハァハァと呼吸をしながらよだれを出している場合は、熱中症のサインです 。これらは一刻を争う事態ですので、迷わず救急病院へ連れて行ってあげてくださいね。
猫ちゃんのよだれへの対策と、健康を守るための正しいケア

猫ちゃんのよだれへの対策と、健康を守るための正しいケア
もし愛猫ちゃんのよだれに違和感を感じたら、私たち飼い主には何ができるのでしょうか。
《対策1》 お口の様子をそっと観察して、記録しましょう
猫ちゃんのお口の中を確認するのは大変ですが、あくびをした瞬間に「歯茎が赤くないか」「できものがないか」をチェックしてみてください。また、病院へ行く際に「よだれが出ている時の動画」をスマホで撮っておくと、先生への説明がとってもスムーズになりますよ 。
《対策2》 原因を根本から解決する治療を
歯周病や重い口内炎が原因の場合、飲み薬だけでは痛みを抑えきれないことが多いんです。現代の獣医学では、痛みの原因となっている歯を抜く「抜歯手術」が、猫ちゃんの苦痛を取り除くための最も効果的な方法の一つとして推奨されています 。手術と聞くと不安になりますが、痛みが消えた後の猫ちゃんは、見違えるように元気にモリモリご飯を食べるようになることも多いんですよ。
《対策3》 毎日のハミガキ習慣(根拠)
病気になる前に防いであげるのが一番ですよね。そのために欠かせないのが、日頃のデンタルケアです。
【なぜ正しいと言えるのか(根拠)】
猫ちゃんのお口はアルカリ性なので、虫歯にはなりにくいのですが、その代わりに歯垢がたった3〜5日で石灰化して、硬い「歯石」に変わってしまいます 。歯石になってしまうと、ハミガキでは落とせず、病院で麻酔をかけて処置するしかありません。
「毎日少しずつでもお口を触る練習をして、歯垢のうちに取り除いてあげることが、お口のトラブルを防ぐ唯一の近道なんです」
出典:ペット保険のトリセツ – 猫ちゃんのよだれと歯周病
よだれは猫ちゃんからの愛と信頼、そして健康のメッセージ
「猫がよだれをポタポタ垂らすのは嬉しいから?」という疑問、いかがでしたでしょうか。
猫ちゃんのよだれには、大きく分けて2つの意味がありましたね。
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嬉しい時
透明でサラサラ、甘えている時に出る「幸せのサイン」! -
注意すべき時
色やニオイがある、食欲がない、どこか辛そうに出る「身体のSOSサイン」!
猫ちゃんは自分の弱みを絶対に見せない、とっても我慢強くて健気な動物です。だからこそ、私たち飼い主が「よだれ」という目に見えるヒントを見逃さず、正しく判断してあげることが大切なんです。
もし、幸せそうによだれを垂らしているなら、それはあなたを心から信頼している証拠。誇りに思って、存分に甘やかしてあげてくださいね。
でも、もし少しでも「あれ? いつもと違うかな」と不安に思ったら、遠慮せずに獣医師さんに相談してください。その優しい気づきが、大好きな猫ちゃんの健康で幸せな未来を、しっかりと守ってくれるはずですから。
