あれ?うちの子、前はぴょーんってソファに飛び乗ってたのに、最近なんだかためらってない?
抱っこしたとき、ちょっと「やめてよ」って感じで鳴いたりとか。
それって、単なる「年のせい」って思いがちだけど、もしかしたら猫ちゃんがじーっと我慢してる関節の痛みのサインかもしれないよ!
びっくりするかもしれないけど、最近の研究だと12歳以上の猫ちゃんの9割が、関節炎のサインを見せているって言われてるんだ。なのに、猫ちゃんの関節炎ってすごく見逃されやすい病気の一つ。
猫ちゃんって、もともと痛いとか辛いとかを隠すのがとっても上手な動物だからね。
だから、飼い主さんが「あれ?」って気づいたときには、もう症状が進んじゃってる…なんてことも少なくないんです。
この記事では、獣医師の視点から、愛猫ちゃんの隠れた「痛いよ」のサインを読み解く方法や、おうちでできるマッサージのやり方を分かりやすくお話しするね。
「なんで効くの?」っていう科学的な理由もちゃんと解説するから、愛猫ちゃんのQOL(生活の質)をアップさせて、穏やかでハッピーな毎日を取り戻すお手伝いができたら嬉しいな。さあ、一緒に見ていこう!
猫の関節炎とは?見過ごしやすい「痛みのサイン」と原因

猫の関節炎とは?見過ごしやすい「痛みのサイン」と原因
病気のメカニズムってどうなってるの?
猫ちゃんの関節炎で一番多いのが「変形性関節症」。
これって、骨の端っこにあってクッションの役割をしてる「関節軟骨」が、だんだんすり減っていく病気なんです。
車のブレーキパッドが古くなっていくのをイメージすると分かりやすいかも!
元気な関節は、軟骨がツルツルで、潤滑油みたいな液体で満たされているから、骨同士がスムーズに動けるんだ。でも、病気が進むとこの軟骨がだんだんザラザラになって、薄くなっちゃう。
最後には軟骨がなくなって、骨同士がゴリゴリ直接こすれ合うように…。
そうなると、炎症が起きて、腫れたり、ずーっと続く痛みが出てきたりするんだよ。
体はなんとか関節を安定させようとして、骨のフチに「骨棘(こつきょく)」っていうトゲみたいな骨を作ることがあるんだけど、これが逆に動きを邪魔したり、神経をチクチク刺激して、もっと痛くなっちゃうっていう悪循環に…。
この変化はすっごくゆっくり進むから、最初のうちはなかなか気づきにくいんだよね。
猫の関節炎の主な原因とリスク要因
猫ちゃんの関節炎は、たった一つの原因じゃなくて、色々なことが重なって起こるんだ。
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加齢
これが一番多いかな。長年使ってきた関節の疲れがたまって、若い頃みたいに軟骨が自分で治る力が追いつかなくなっちゃうんだ。 -
肥満
ちょっとぽっちゃりしてるのはカワイイけど、体重が重いと関節にはすっごい負担!軟骨がすり減るスピードも速くなっちゃうんだ。おうちにいることが多い猫ちゃんは、特に気をつけてあげてね。たった500gでも、猫ちゃんにとってはすっごく重いリュックをずっと背負ってるのと同じくらい大変なんだよ! -
遺伝的なものや猫種
スコティッシュ・フォールドちゃんやメインクーンちゃん、マンチカンちゃんみたいに、もともと関節がデリケートな子もいるんだ。 -
昔のケガとか
交通事故や高いところから落ちて骨折しちゃったことがあると、それが治っても数年後に関節炎の原因になることがあるんだ。関節のバランスがちょっと崩れたままになっちゃうからね。
猫ちゃんの沈黙の言葉を解読する…痛みのサイン・チェックリスト
猫ちゃんは痛みを隠す名人。「年のせいかな?」って思うような行動が、実は「痛いよ!」のサインだったりするんだ。下のリストで、愛猫ちゃんの様子をチェックしてみて!
| カテゴリー | 具体的なサインはこんな感じ! | それって、こういうコトかも? |
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動きの変化 |
高い所にジャンプするのをためらう、低い所で妥協してる |
ジャンプして着地するとき、関節にズキン!と痛みが走るのかも。前より低い所を経由して登るような工夫をしてることも。 |
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階段を使いたがらない、一段ずつ「よいしょ」って感じでのぼる |
階段って、肘とか股関節、膝にけっこう負担がかかるんだ。ウサギみたいに前足をそろえて降りる子もいるよ。 |
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起きた後とか、動き始めの歩き方がぎこちない |
長い時間じっとしてたから、関節が固まっちゃってるんだね。「始動時跛行」っていうよ。ちょっと動くとマシになるのが特徴。 |
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行動・気分の変化 |
毛づくろいが雑になった?毛並みがボサボサでフケっぽいかも… |
体をねじって背中やお尻をキレイにするのが痛いんだ。おしゃれさんだったのに、最近サボってるな?って思ったら注意信号! |
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触ったり抱っこしようとすると怒る、シャー!って言う |
飼い主さんが悪気なく痛い所に触っちゃってるのかも。大好きだったはずのナデナデを避けるようになったら、気をつけてあげて。 |
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寝てばっかりで、おもちゃに興味を示さなくなった、隠れてることが増えた |
ずっと続く痛みで、なんとなく体がだるいのかも。動くのが辛いから、安全な場所でじっとしていたいんだよね。 |
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トイレの問題 |
トイレのフチでおしっこしちゃう、トイレじゃない所で粗相する |
トイレのまたぐのが大変だったり、深くしゃがむポーズが痛かったりするんだ。我慢して膀胱炎になっちゃう子もいるよ。 |
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体からのサイン |
同じ場所をずーっと舐めたり噛んだりしてる |
痛い所を自分で「どうにかしなきゃ!」って思ってやってる行動。舐めすぎて、そこの毛がハゲちゃうことも。 |
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関節が腫れてる、触ると熱っぽい(分かりにくいけど…) |
関節の中で炎症がメラメラ燃え上がってるサイン。長毛の子だと見つけにくいから、優しく触って左右を比べてみて。 |
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片足だけなんだか細くなってきた…? |
痛い方の足を使わないようにかばってると、そっちの筋肉が落ちてきちゃうんだ。左右の後ろ足をそーっと触り比べてみると分かるかも。 |
こんなサインは、猫ちゃんからの精一杯のSOS!一つでも当てはまったら、獣医さんに相談してみてね。それが早期発見への一番の近道だよ!
猫の関節炎にマッサージが効果的な科学的根拠

猫の関節炎にマッサージが効果的な科学的根拠
おうちでマッサージって聞くと、「気休めでしょ?」って思うかもしれないけど、とんでもない!ちゃんと科学的な理由があって、獣医さんの世界でも認められてる立派なケアなんだよ。
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痛みと筋肉のコリをほぐす!
関節が痛いと、変な体勢で痛いのをかばうから、周りの筋肉がガチガチに凝っちゃうんだ。マッサージでこのコリを優しくほぐしてあげると、筋肉自体の痛みも和らぐんだよ。それに、気持ちいい刺激が痛みの信号よりも先に脳に届いて、痛みをブロックしてくれる効果もあるんだ!
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血の巡りを良くして、元気を届ける!
優しいマッサージで血行が良くなると、痛んでる場所に酸素や栄養がどんどん運ばれて、元気になれー!って細胞の修復を助けてくれるんだ。同時に、関節の周りに溜まった痛みの原因物質や老廃物もお掃除してくれるから、腫れや痛みが内側からスッキリするんだよ。
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関節が固まるのを防いで、動きをスムーズに!
残念ながら、マッサージで減っちゃった軟骨は元に戻らない。でも、関節の周りにある筋肉や腱を柔らかくすることはできるんだ。動かさないでいると、どんどん固まって動きが悪くなっちゃうからね。マッサージで柔軟性をキープしてあげることで、今ある機能を最大限に保つことができるんだよ。
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心もポカポカ、絆も深まる!
大好きな飼い主さんに優しく触ってもらうと、猫ちゃんの体の中では「エンドルフィン」っていう天然の鎮痛剤や、「オキシトシン」っていう幸せホルモンがたくさん出るんだ。そうすると、ストレスが減ってリラックスできるし、痛みも感じにくくなるんだよ。マッサージの時間は、猫ちゃんとの絆をもーっと深めるスペシャルな時間になるんだ!
専門家も認めてるよ!
獣医療の専門機関も、マッサージは「血の巡りを良くして、筋肉のコリや痛みを和らげる」って、その効果を認めているんだ。
今日からできる!猫の関節炎のための安全なマッサージ実践講座

猫の関節炎のための安全なマッサージ実践講座
ここでのマッサージは、ただのモミモミじゃないよ。「あなたの手は気持ちいいし、安全だよ」って猫ちゃんに思い出してもらうための、信頼回復の時間なんだ。焦らず、猫ちゃんのペースでやっていこうね!
【ステップ1】 まずはリラックスできる環境づくりから♪
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場所と時間を選ぼう
猫ちゃんのお気に入りの場所、静かで暖かい所がいいね。ご飯の後とか、お昼寝の前とか、もうすでにウトウトしてる時がベストタイミング!マッサージ専用のふわふわブランケットを用意して、「この上は天国〜」って覚えてもらうのもグッド! -
ご機嫌をチェック!
いきなり始めるのはNG!まずは優しく名前を呼んで、いつもみたいに顎の下とかを撫でてあげて。「今日はナデナデOK?」って感じで、猫ちゃんが自分からすり寄ってくるのを待つのが理想的だよ。
【ステップ2】 基本のテクニックを覚えよう!
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テクニック1: ストローキング(なでなで)- 準備運動
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やり方
手のひら全体で、頭からしっぽの付け根まで、毛並みに沿ってゆーっくり、途切れないように撫でてあげて。力は入れないで、手の重みだけで滑らせる感じ。これを5〜10回くらい。 -
目的
「今からマッサージ始めるよ〜」「おしまいだよ〜」の合図。猫ちゃんもリラックスできるし、筋肉も温まるよ。
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テクニック2: 優しいニーディング(こねこね)- コリをほぐす
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やり方
親指と他の指で、肩や太もも、背骨の横みたいな筋肉が厚い所を、優しくつまんで、軽く円を描くようにこねこね。パン生地をこねるみたいに、でも力はほんのちょっとだけね! -
【超重要ポイント!】
肘や膝みたいな、骨がゴツゴツした関節の上は、絶対に直接つまんだり押したりしちゃダメ! あくまでマッサージするのは、その周りの筋肉だよ。
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テクニック3: 関節の曲げ伸ばし運動 – 上級者向け!
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【注意!】
これは、必ず獣医さんや専門家から直接やり方を教えてもらってからやってね!自己流は危ないから、絶対にやめて! -
やり方
猫ちゃんが完全にリラックスしてる時に、例えば後ろ足の膝をそーっと支えて、嫌がらない範囲でゆっくり曲げたり伸ばしたりするんだ。痛がる素振りを見せる一歩手前でストップだよ! -
目的
関節が固まっちゃうのを防いで、関節の中の潤滑油を循環させてあげるんだ。
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【ステップ3】 猫ちゃんの「キモチ」を読み取ろう
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ポジティブサイン(続けてOK!)
ゴロゴロ喉を鳴らす、ゆっくりまばたき、うっとり目を細める、前足でふみふみ、手にスリスリしてくる。 -
ネガティブサイン(すぐストップ!)
皮膚がピクピクッてする、しっぽをパタパタ激しく振る、耳がペタンコになる(イカ耳)、唸る、シャー!って言う、噛もうとする、逃げようとする。無理やりは絶対ダメだよ!嫌がったらすぐにやめて、最後は優しい「なでなで」で穏やかに終わろうね。
【ステップ4】 時間と回数
合言葉は「短く、こまめに」!最初は1回3分から5分くらいで十分だよ。
週に1回20分やるより、毎日5分続ける方がずーっと効果的!猫ちゃんが「マッサージタイム、大好き!」ってなってくれたら、少しずつ10分〜15分に延ばしていこう。
マッサージだけじゃない!猫の関節炎の総合的な対策

マッサージだけじゃない!猫の関節炎の総合的な対策
関節炎のケアは、色々な合わせ技が大事なんだ!「痛い → 動きたくない → 筋肉が落ちる → もっと痛い」っていう悪循環を、みんなで断ち切ろう!
1. 獣医さんは最強のパートナー!最新の治療法
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痛み止めのお薬(NSAIDs)
炎症と痛みを抑える基本のお薬。でも、猫ちゃんは腎臓に負担がかかりやすいから、ちゃんと獣医さんの言うことを聞いて、定期的なチェックも忘れずにね。 -
新しい治療法(ソレンシア)
これは画期的なお薬!痛みの信号をブロックしてくれる注射なんだ。月に1回でOKだし、体への負担もすごく少ないから、シニアの猫ちゃんにも安心して使いやすいんだよ。 -
サプリメント
グルコサミンとか、オメガ3脂肪酸とか、関節に良いって言われてるサプリもあるよ。関節ケア用の特別なご飯も効果的だから、獣医さんに相談してみてね。
2. おうちの中を関節に優しくプチリフォーム!
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床
ツルツル滑るフローリングは関節に良くない!カーペットとかマットを敷いて、滑らないようにしてあげよう。 -
段差
大好きなベッドや窓辺にジャンプなしで行けるように、スロープとか小さい階段を置いてあげよう。 -
ご飯・水・トイレ
全部、階段を使わなくても行ける平らな場所に置こう。特にトイレは、フチが低いタイプに変えてあげると、すごく楽になるよ。ご飯のお皿も、少し高さのある台に乗せてあげると、首が楽ちん! -
寝床
暖かくてふかふかのベッドは最高のごほうび!痛い関節を優しく支えてくれるよ。冬はペット用のホットカーペットも喜ぶかも!
3. 体重管理はすっごく大事!
ダイエットは、飼い主さんができる一番効果的なケアの一つだよ!体重が減ると、関節への負担が軽くなるだけじゃなくて、脂肪から出る「炎症を起こす物質」も減るから、一石二鳥なんだ!獣医さんと相談して、健康的にダイエットを頑張ろうね。
飼い主さんの体験談・・・私たちの猫の関節炎ケア

飼い主さんの体験談・・・私たちの猫の関節炎ケア
【ケーススタディ1】 15歳のメインクーン「レオ」くん
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お悩み
ふわふわの長毛が腰のあたりで毛玉だらけに…。なんだか不機嫌で、撫でようとすると唸ることも。「もしかして、嫌われちゃったのかな…」って飼い主さんはすごく悩んでたんだ。 -
解決策
獣医さんと相談して、月1回のソレンシア注射をスタート。ソファには楽々登れるスロープを設置!そして毎晩、レオくんがリラックスしてる時に、5分間の優しいマッサージを日課にしたんだ。 -
結果
2ヶ月後、レオくんはまた自分で毛づくろいができるように!毛並みも元通りふわっふわ!何より、マッサージの時間には大きな音でゴロゴロ喉を鳴らしてくれるようになったんだ。マッサージが、心の距離も縮めてくれたんだね。
【ケーススタディ2】 12歳のキジトラ「キキ」ちゃん
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お悩み
いつも一緒に寝てたキキちゃんが、ベッドに来なくなった。床で寝るようになって、一度だけトイレの外で粗相も…。飼い主さんは粗相を叱っちゃったことを、すごく後悔してたんだ。 -
解決策
すぐにベッドの横にステップを置いて、トイレもフチの低いものにチェンジ!ご飯も関節ケア用のものにして、キキちゃんが膝の上でウトウトしてる時に、優しくマッサージを取り入れたんだ。 -
結果
ステップを置いた週から、キキちゃんはまたベッドで寝るように!飼い主さんは、キキちゃんの行動がわがままじゃなくて「痛いよ」のサインだったんだって分かって、ホッとしたんだって。毎日のちょっとした工夫が、愛猫ちゃんの幸せに繋がるって実感できたんだね。
愛猫の穏やかなシニアライフのためのパートナーシップ

愛猫の穏やかなシニアライフのためのパートナーシップ
猫ちゃんの関節炎は、シニアになったら多くの猫ちゃんが経験すること。
でも、決して「年のせい」で諦めることじゃないんです。
一番大事なのは、飼い主さんが愛猫ちゃんのささいな変化を「痛みのサイン」としてキャッチして、すぐに行動してあげること。
関節炎との付き合いは、短距離走じゃなくて、ゆっくり一緒に歩くマラソンみたいなもの。
最新の治療法は痛みをしっかりコントロールしてくれるし、おうちの工夫や体重管理は着実に関節の負担を減らしてくれる。そして何より、飼い主さんの愛情いっぱいの優しいマッサージは、体の痛みを和らげるだけじゃなくて、猫ちゃんの心を癒して、かけがえのない絆を育んでくれるんです。
愛猫ちゃんの行動をよーく見てあげる「観察者」に、獣医さんと力を合わせる「パートナー」に、そして毎日のケアで愛情を伝える「実践者」になること。
この三つの役割で、私たちは愛する猫ちゃんが、痛みから解放されて、穏やかで快適なシニアライフを送るための、最高のサポーターになろう!

