あー、またやられちゃった…!壁や家具のシミと、ツンとくるあのニオイ。
愛猫のマーキングに「もうどうしたらいいの!」って頭を抱えていませんか?
猫と暮らす上で、これって本当に手ごわい問題行動のひとつ。
飼い主さんの心も体もクタクタにさせちゃう、深刻な悩みですよね。
でも、大丈夫!この問題、ちゃんと解決できますから、安心してくださいね。
猫のマーキングは、ただの「おしっこの失敗」じゃないんです。実は、猫からの切実なメッセージ。「どうしてこんなことするの?」その根本原因をちゃんと理解して、一つひとつ丁寧に対処していけば、必ず解決の道は見えてきます。
この記事では、獣医さんの知識と、たくさんの飼い主さんの経験を元に、猫ちゃんのマーキングを根本から解決するための完全ガイドをお届けします!
まずは「これって本当にマーキング?」をしっかり見極めて、次に行動の裏に隠された「なんで?」を解き明かしていきましょう。
そして、獣医さんがおすすめする5つのステップに沿って、具体的な対策を実行します。
さらに、問題の核心である「ニオイ」を科学的にっ退治する方法から、みんなが試してる対策グッズのリアルな口コミ、そして「これだけは絶対やっちゃダメ!」なNG対応まで、あらゆる角度からこの問題にアプローチしていきます。
もう一人で悩まなくて大丈夫。この記事を地図代わりにして、愛猫との穏やかな毎日を取り戻すための一歩を、一緒に踏み出しましょう!
猫のマーキングって何?トイレの失敗(粗相)との違いは?

マーキングと粗相の違いは?
マーキング問題を解決するための最初のステップは、その行動を正しく知ること。
「トイレじゃない場所でおしっこする」って、全部同じに見えるかもしれないけど、「マーキング」と「粗相(そそう)」は、理由も対処法もぜんぜん違うんです。
ただの排泄じゃない!猫ちゃんのコミュニケーションなんです
マーキングは、猫ちゃんが「ここは僕/私のナワバリだぞ!」ってアピールするための、ニオイ付けコミュニケーション。生理的な「おしっこしたい」とは違って、何かを伝えようとしているサインなんですね。
マーキングには、大きく分けて3つのタイプがあります。
スプレー (Spraying)
飼い主さんを一番悩ませるのが、これ!立ったままの姿勢で、しっぽをピンと立ててプルプル震わせながら、壁や家具みたいな垂直な面に、少量の尿をシュッと吹きかけます。
このおしっこ、普通のものより成分が濃くて、すっごく強烈なニオイがするのが特徴です。
擦り付け (Rubbing)
家具や人の足に、顔や体をスリスリするのも、実はマーキングの一種。これは猫ちゃんがリラックスして「ここは安全だ〜」って安心している証拠なんです。頬やあごから出るフェロモンをつけて、「自分のニオイがする、安心できる場所」って確認してるんですね。このニオイは人間にはほとんど分かりませんが、猫ちゃんにとっては大事な心の安定剤です。
爪とぎ (Scratching)
柱や壁でガリガリ爪とぎするのも、ただ爪をといでいるだけじゃないんです。肉球から出る自分のニオイを付けて、「ここに元気な猫がいるぞ!」ってみんなにアピールする、見た目とニオイの両方で知らせるマーキング行動なんですよ。
こうしてみると、マーキングって猫の気持ちと深くつながっているのが分かりますよね。特にスプレーみたいな強いアピールは、猫ちゃんが不安やストレスを感じているサインであることが多いんです。逆に、スリスリするような穏やかなマーキングは、猫ちゃんが安心している証拠。だから、私たちのゴールは、マーキングを全部なくすことじゃありません。不安からくるスプレーを減らして、猫ちゃんが「安心だな〜」ってスリスリしてくれるような環境を作ってあげること。これが、正しいゴールなんです!
これでバッチリ!マーキングか粗相か見極めポイント
あなたの愛猫の行動が「マーキング」か、ただの「粗相」か。下の表でチェックしてみてください。正しい見極めが、効果的な対策への近道ですよ!もし間違えちゃうと、見当違いな対策を続けることになって、お互いのストレスが増えちゃうだけかもしれません。
項目 (Item) | スプレー行動 (Marking/Spraying) | 粗相 (Inappropriate Urination) |
猫のポーズ |
立ったまま、しっぽを立てて震わせ、後ろ向きにシュッ! ¹ |
しゃがんでジャー(普通のトイレの格好) ¹ |
場所 |
壁、家具、カーテンなど垂直な面が多い ¹ |
布団、カーペット、床など水平な面が多い ¹ |
おしっこの量 |
ちょっとだけ ¹ |
いつも通り(多め) ¹ |
ニオイ |
ものすごく強くて、ツンとくる刺激臭 ¹ |
いつものおしっこのニオイ |
考えられるワケ |
ナワバリアピール、恋のアピール、不安、ストレス ¹ |
トイレが気に入らない!、病気、お年寄りなど ¹ |
この表を参考に愛猫の行動をよーく観察すれば、問題の本当の原因が見えてくるはずです。
なんでマーキングするの?猫のキモチ、4つの本当の理由

マーキングする理由は?
マーキング行動には、猫ちゃんの本能や気持ちに基づいた、ちゃんとした理由があります。この根本原因を理解することが、効果的な対策への第一歩です!
【理由1】 恋の季節!本能的なアピール
去勢・避妊手術をしていない猫ちゃん、特に男の子にとって、マーキングは発情期のとっても自然でパワフルな本能行動。女の子の発するフェロモンにドキドキして、「僕、ここにいるよ!」ってアピールしたり、恋の相手を探したりするためにスプレーをしちゃうんです。
これは自分の子孫を残すための本能的なラブコールであり、他の男の子には「ここはオレのナワバリだ、入ってくるなよ!」っていう警告でもあるんです。
獣医さんから見ても、性ホルモンが原因のマーキングは一番強力な動機。だから、多くの獣医さんが最初の対策として去勢手術をおすすめするんですね。
【理由2】 「なんだか不安…」ストレスのサイン
去勢・避妊済みの完全室内飼いの猫で一番多い原因が、これ。
ストレスや不安です。猫ってすっごく繊細で、環境の変化に敏感な生き物。
彼らにとって自分のニオイは「ここは安全地帯」って感じるための大事な目印なんです。
何かが原因で不安になると、自分のニオイをあちこちに付けて、「安心バリア」を張って心を落ち着かせようとします。これがマーキングとなって現れるわけです。
具体的には、こんなことがストレスの原因になります。
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環境の変化
引っ越し、模様替え、新しい家具、飼い主さんが使う洗剤や芳香剤が変わった、なんてことでも猫には大きなストレス。 -
家族の変化
新しいペット(猫や犬)が来た、赤ちゃんが生まれた、同居人が変わった、飼い主さんの生活リズムが変わった、など。 -
外からの侵入者
窓の外に見える知らない猫の姿やニオイは、「ナワバリが脅かされる!」っていう強いストレスになります。 -
うるさい音
近所の工事の音、頻繁な来客、大きな音がする家電など、猫が落ち着けない環境¹。
ここで大事なのが、「ニオイ」がストレスとマーキングの悪循環を生むってこと。例えば、飼い主さんが外から持ち帰った知らないニオイや、新しい家具の化学的なニオイは、猫にとっては「ナワバリを侵す怪しいニオイ」なんです⁹。このストレスに対抗するために、自分の尿っていう強烈で馴染みのあるニオイを上書きしようとマーキングします。
こうして「怪しいニオイでストレス → マーキングで対抗」という負のループが始まっちゃうんです。
このループを断ち切るには、ただ掃除するだけじゃなく、家全体の「ニオイ環境」を猫にとって安心できるものに変えていく必要があります。
【理由3】 「このトイレ、気に入らないんですけど!」
マーキングに見える行動が、実はトイレへの強烈な不満表明ってこともあります。
猫ちゃんはとってもキレイ好き。トイレが気に入らないと、そこで用を足すのを我慢して、他の場所をトイレにしちゃうことがあるんです。
「こんなトイレ使えるか!だからここでしちゃうんだぞ!」っていう、猫ちゃんからの無言の抗議なんですね。
猫がトイレに不満を感じるポイントはこんな感じ。
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【清潔さ】 トイレが汚い、掃除の回数が少ない。
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【数】 猫の数に対してトイレが足りない(理想は「猫の数+1個」)。
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【場所】 人通りが多い、うるさい、ごはんや水の場所の近くにある。
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【猫砂】 砂の粒の大きさや素材、ニオイがキライ。
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【形や大きさ】 トイレが小さい、屋根付きドーム型はニオイがこもってイヤ!
【理由4】 もしかして、病気かも?
おしっこに関する行動が急に変わった時は、病気のサインかも、って常に頭の片隅に置いておいてください。特に、膀胱炎や尿路結石といった泌尿器系の病気は、おしっこの時に痛みを伴うので、「トイレでおしっこすると痛い…」って覚えちゃって、トイレを避けるようになることがあります。
ストレスと病気は、実はすごく仲良し。強いストレスは猫の免疫力を下げて、特発性膀胱炎みたいな病気を引き起こす直接の原因にもなります。つまり、ストレスを感じた猫は、不安でマーキングするだけじゃなく、ストレス自体が原因で病気になって、痛みから変な場所でおしっこしちゃう…なんて複雑な状況になることも。だから、マーキングが始まったら、「しつけの問題」と「健康の問題」の両方から考えることが大事。獣医さんでの診察は、「念のため」じゃなくて「絶対に必要なステップ」なんです!
猫のマーキングをやめさせる!獣医さんおすすめ5つのステップ

マーキングをやめさせる方法は?
原因がわかったら、いよいよ具体的な対策!これから紹介する5つのステップは、多くの獣医さんがおすすめする、科学的根拠に基づいた実践的なアプローチです。順番に、そして焦らずにやっていきましょう。
【ステップ1】 なにはともあれ、まずは動物病院へ!
自分で対策を始める前に、まずはプロの診断を受けることが、問題解決のスタートラインです。
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アクションA
病気の可能性をゼロにする
尿検査やエコー検査で、健康に問題がないかを確認してもらいましょう。 -
アクションB
去勢・避妊手術の相談
もし未手術なら、これが一番効果的な方法かも。データによると、手術で男の子の90%、女の子の95%でマーキングが解決、または大幅に減ったと報告されています。最初の発情期が来る前(生後6ヶ月頃)の手術が、一番確実な予防策です。
【ステップ2】 ストレスの原因、徹底的になくしちゃおう!
猫の心を穏やかにして、「マーキングなんてしなくても大丈夫だよ」って思える環境を作るのが目標です。
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ナワバリの安全を守る
窓の外の猫が原因なら、窓の下半分に目隠しシートを貼って、外が見えないように工夫。 -
『3次元の遊び場』を作
猫ちゃんは高い場所で安心します。キャットタワーや棚を設置して、安全な避難場所を確保しましょう。段ボール箱やトンネルのような隠れ家、複数の爪とぎを用意することは、猫の縄張りへの自信を育み、不安を和らげます。 -
遊びで発散させる
1日に10〜15分、おもちゃで思いっきり遊んであげましょう。有り余るエネルギーと不安を発散できます。 -
毎日同じリズムで
ごはんや遊びの時間を毎日同じにすると、猫はすごく安心します。
【ステップ3】 トイレ環境、サイコーに整えよう!
猫にとってトイレが「世界で一番快適で安全な場所」になるように、徹底的に改善しましょう!
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「N+1」ルール
トイレの数は、必ず「猫の数+1個」以上用意してあげて。 -
最高のロケーション
静かで落ち着ける場所に置きましょう。ごはんや水の場所からは離してあげて。 -
ゆったりサイズ: 猫の体長の1.5倍くらいの大きさが理想。中でくるっと方向転換できるくらいがベスト。
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お掃除は絶対!
ウンチやおしっこは、少なくとも1日1回、できれば2回以上は取ってあげて。 -
猫砂の好み、尊重します
いろんな種類の砂を試せる「猫砂ビュッフェ」で、お気に入りを見つけてもらうのも良い方法です。
【ステップ4】 お掃除と消臭は、完璧に!
一度マーキングされた場所は、猫ちゃんにとっては「ここはトイレOK!」という強烈なサイン。このサインを完全に消し去ることが超重要です。
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まず、ペーパータオルで尿をできるだけ吸い取ります。
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次に、酵素系クリーナーで掃除!これは尿のタンパク質を分解してくれるので、ニオイを元から断てます。
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絶対にアンモニア入りの洗剤は使わないで! 尿の成分と似ているから、逆に猫ちゃんをその場所に引き寄せちゃいます。
【ステップ5】 「安心な場所」に上書きしよう!
マーキングされた場所を「ヤな場所」から「お気に入りの場所」に変えて、再発を防ぎます。
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場所のイメージチェンジ
徹底的に掃除したあと、そこにごはん皿やおもちゃ、お気に入りのベッドを置いてみて。猫ちゃんは食事や寝る場所を汚したくない本能があります。 -
安心のニオイをプラス
柔らかい布で愛猫の頬のあたりを優しくなでて、その布をマーキングされた場所にこすりつけてみて。不安なニオイ(尿)を、安心のニオイ(フェロモン)で上書きしてあげましょう。
ニオイを制する者がマーキングを制す!消臭と猫が嫌うニオイ活用術

消臭の対処方法は?
【消臭編】 科学の力でニオイを元から断つ!
猫ちゃんのおしっこはアルカリ性。だから、酸性のものが消臭にすっごく効くんです。
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クエン酸
水500mlにクエン酸小さじ1杯を混ぜるだけで、手作り消臭スプレーの完成。 -
お酢
これも酸性だから効果的。水で薄めて使ってみて。 -
熱湯
熱に強い場所なら、熱湯消毒もニオイの分子を壊してくれます。
【忌避編】 猫が苦手なニオイで「ここはダメ!」
猫ちゃんが本能的に嫌がるニオイを使って、マーキングしてほしくない場所から遠ざけましょう。
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柑橘系の香り
レモンやオレンジの皮を置いたり、アロマスプレーをシュッとしたり。ただ、猫ちゃんが直接舐めないように気をつけて。 -
ミント・ハッカの香り
人間には爽やかで、猫ちゃんが舐めても比較的安全なので使いやすいですよ。 -
市販の忌避スプレー
猫ちゃんが嫌がるニオイを効果的にブレンドして作られています。
注意! 家中を猫の嫌いなニオイだらけにすると、猫は逃げ場がなくなって、逆にストレスが溜まっちゃうかも。忌避剤は、マーキングしてほしくない場所にピンポイントで使うのがコツです!
プロも使う対策グッズと、飼い主たちのリアルな声
猫のフェロモン剤「フェリウェイ」って何?
「フェリウェイ」は、猫ちゃんが安心している時に顔から出す「おだやかフェロモン(フェイシャルフェロモンF3)」を人工的に再現した製品です。
いわば「ここは安全だよ」という猫ちゃんのメッセージをスプレーにしたもの、と考えると分かりやすいでしょう。
この「安心・安全」のメッセージを空間に拡散させることで、猫ちゃんのストレスや不安を和らげる効果が期待できます。
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リキッドタイプ(拡散器)
お部屋全体に広がるから、環境全体のストレスに。 -
スプレータイプ
キャリーケースや特定の場所など、ピンポイントで使いたい時に便利。
で、ぶっちゃけ効くの?飼い主たちの体験談
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【効いた!っていう声】
「マーキングの回数が本当に減った!」「多頭飼いだけど、猫同士のケンカが減った」「引っ越しの時に使ったら、すぐ新しい家に慣れてくれた」なんて声がたくさん。 -
【うーん…っていう声】
「全然効果なかった」「スプレーした場所を避けて、別の場所でやられた」なんて声も。
いろんな体験談をまとめると、フェリウェイは「万能薬」じゃなくて、あくまで「お助けアイテム」と考えるのが良さそう。原因が漠然とした不安やストレスなら、効果を発揮する可能性大!でも、去勢してないとか、トイレが汚いとか、ハッキリした原因がある場合は、これだけじゃ解決は難しいかも。使うなら、必ず他の基本的な対策とセットでやるのが成功の秘訣です。
これだけは絶対やめて!マーキング対策のNG対応

マーキングに対する猫ちゃんの対応は?
【最重要ルール】 絶対に叱らない、罰しない!
マーキングを見つけた時、大声で怒鳴ったり、叩いたりするのは、本当にダメ、絶対!
なんで叱っちゃダメなの?
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猫は罰と行動を結びつけられない
猫ちゃんは、過去の行動に対して叱られても、その原因を理解できません。それどころか、「飼い主は予測不能で恐ろしい存在だ」と学習してしまいます。これは問題解決を遠ざけるだけでなく、あなたと愛猫との信頼関係を損なう原因にもなります。 -
ストレス倍増で、行動が悪化!
飼い主さんに叱られるなんて、猫ちゃんにとっては最大の恐怖とストレス。結果、もっと不安になって、さらにマーキングに頼る…という最悪のループに。 -
「かまってくれた!」と勘違いしちゃう
大声を出したり、駆け寄ったりすると、猫ちゃんは「注目してくれた!」って勘違いすることがあるんです。その結果、「ここでスプレーすれば、かまってもらえる!」と覚えちゃうことも。
じゃあ、どうすればいいの?
もしマーキングの現場を見ちゃったら、カッとせずに、手をパンと叩くなど、短い音で行動をストップさせます。その後は、猫のことは完全に無視!何事もなかったかのように、静かに、淡々と後片付けを始めてください。
焦らず、愛情をもって向き合おう
マーキングをやめさせるのって、時間がかかるし、根気もいる道のりです。でも、この記事で紹介したステップを一つひとつやっていけば、必ず光は見えてきます。
やることリストのまとめ
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まず獣医師へ
病気じゃないかチェック&去勢・避妊の相談。 -
ストレスをなくす
猫目線で環境を見直して、安心できるお部屋作り。 -
トイレを完璧に
いつも清潔で快適な、最高のトイレを用意する。 -
科学的に掃除する
ニオイを元から断って、再発ループを断ち切る。 -
決して罰しない: 叱るのは逆効果。冷静に、淡々と。
マーキングは、愛猫からの「助けて!」のサインかもしれません。それは、飼い主として愛猫への理解を深め、もっと強い絆で結ばれるためのチャンスでもあります。
焦らず、一つひとつの対策を丁寧に試してみてください。あなたの愛情と根気強い取り組みが、愛猫が心から安心できる環境を作り、穏やかで幸せな日常を取り戻すための鍵となります。